どうも。
公務員を退職して、現在ブログとnoteで稼いだ収益で生活をしながら士業開業を目指しているばびです。
今回は、2024年11月10日に実施された行政書士試験を受験してきたので、自己採点結果を赤裸々に公開します。
はじめに
恥を忍んでお伝えすると、今回の試験で6度目の受験です。
令和になってから毎年、受験しているというわけです。
当初の私は、「行政書士試験の合格率は10%〜15%か。いうてクソ簡単だろ。」
なんて余裕をぶっこいでいましたが、実際に勉強を始めてみると、想像以上に難しくなかなか合格できず気がつけば6年目でした。
6年も行政書士試験を受験し続けているからこそ気づいた、誤った勉強法や逆にこれはよかったという勉強法などもお伝えできればと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
私の過去の行政書士試験の点数の変遷
令和元年度 | 100/300点(※法令科目の足切りで記述採点されず) |
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令和2年度 | 132/300点(※法令科目の足切りは回避するも撃沈) |
令和3年度 | 118/300点(※法令科目択一の点数は28点上がるも、教養が52→28に下がり全体としては点数が下がる形に) |
令和4年度 | 138点/300点(※記述はまさかの0点) |
令和5年度 | 168点/300点(※記述抜き162点を取るも、記述6点で撃沈) |
択一は地道に上がっているものの、記述が苦手すぎて記述抜きで180点取れるまで、合格する気がしないんですよね。
【2024年度】行政書士試験・自己採点結果
基礎法学 | 2/2(※捨て科目だったので、ラッキー) |
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憲法 | 4/5(※目標点どおり) |
行政法 | 13/19(※目標点まで、あと4問) |
民法 | 3/9(※目標点まで、あと4問) |
会社法 | 1/5(※目標点まで、あと3問) |
多肢選択(憲法) | 7/8(※目標点どおり) |
多肢選択(行政法) | 1/4(※目標点まで、あと2問) |
記述(行政法) | 被告適格のみ書けたので2〜4点くらい? |
記述(民法1問目) | 完全に論点はずし。まさか先取特権が出題されるなんて… |
記述(民法2問目) | おそらく半分はあるかな? |
一般教養 | 11/14(※目標点どおり) |
合計 | 152/300点(記述抜き) |
【2024年度】行政書士試験・記述の私の答案
国を被告として、拒否処分の取消訴訟と義務付け訴訟を併合提起することができる。
国を被告として、だけ正解だと思うので、2〜4点くらいですかね?
今回の記述では、この問題が1番難しく感じました。
なんかシンプルな問題に見えるけど、何が問われているのかいまいち掴みきれないという…
AはBの債務不履行を理由に、解除権を行使し、Bに対して損害賠償請求をすることができる。
まさか、先取特権が記述で出題されるなんて思いもしなかったので、全く頓珍漢な回答をしてしまいました。問答無用で0点ですね。
一瞬、先取特権かも?と頭によぎりはしたのですが、先取特権の論点はそこまで深く理解していなかったので、先取特権とだけ記載してほんのわずかな部分点を狙うよりは、他のこと書いて少しでも点数を稼げたらという狙いでわけわからんことを書いてしまいました。
今思うと、動産の先取特権というキーワードだけでも書いておけばと悔やまれますが、問題を解いているときは、本当に先取特権でいいのか?先取特権なんて記述に出すかな?とかなり勘繰っていたので、タラレバにすぎませんが…笑
Aは自己のために、BがCに対して有する所有権移転登記請求権を代位行使することができる。
ここは前半部分で論点落としをしているので、8点くらいですかね?
【2024年度】行政書士試験を終えて自身の感想
はい。いうまでもなく敗因は民法ですね。
自分でも分かってはいるものの、なかなか民法が伸びないんですよね。
あとは、会社法がせめてあと2問取りたいところ。
教養が当たってたので、民法があと2問、会社法があと2問、取れていたら記述の内容的にもおそらく合格でした。
【2024年度】各科目の使用教材
今回使用した教材を自分用の記録として、下記にまとめておきます。
基礎法学
ギャンブル性の高いコスパ悪い科目でノー勉なので、略。
憲法
リアリスティック憲法
近年の憲法は過去問より、判例を抑えておかないと点が取れないので、トリセツを使いましたが、功を奏しました。
というか、最近の憲法の問題は判例の結果だけではなく、その結果に至る理由も押さえておく必要があるので、大変です。(行政法でも同じことが言えます)
そこで、どの教材を用いて判例学習をするのか非常に迷いましたが、一冊で憲法、行政法、民法のすべてが解説されており、しかも比較的薄く周回しやすそうだったので、トリセツにしました。
実際に、問4は過去問を解いていても解けなかったと思いますが、トリセツを読んでいたので、秒で解けました。
【選択肢2】検索結果として提供される情報は、プログラムによって自動的に収集・整理・提供されているものにすぎず、検索結果の提供は、検索事業者自身による表現行為とはいえない。
「2024年度版トリセツ重要判例解説(p.40)」には以下のように記載
→「検索結果の提供は検索事業者の表現行為であり、現代社会においてインターネット上の情報流通の基礎として大きな役割を果たしている」
行政法
合格革命テキストを1周
総論と手続法以外を1周
総論以外はウォーク問を1周
行政法は合格革命の基本テキストを読み込む+肢別過去問を解いておけば、それだけで13点は確実に取れると思います。
私がウォーク問を併用している理由としては、肢別過去問だけだと判例問題に対応することが非常に難しい点です。
特に、総論と行政事件訴訟法の2分野では、判例の出題が多いのですが、肢別過去問だとそもそも判例の問題がそのまま掲載されていなかったり、判例を深く解説しているわけでもないので、テキストで判例を重点的に学習していなければほぼ確実に判例問題が弱点になりますし、本番で「え、肢別でこんな判例見たことないんやけど…。」って状態になります。
一方で、ウォーク問だと過去問がそのまま掲載されていて、なおかつ解説もかなり丁寧なので、一度ウォーク問で出た判例が出題された場合、だいたい解けるようになります。
あとは、5肢の中から正解を選ぶということ自体に対する慣れと、「こういう難しい肢があるときは、他の肢に簡単な問題が用意してくれててしっかり問題解けるようにしてくれてるんやな〜」的な感じで正解を導き出すコツみたいなのが掴めるような気がしています。
私のように多年度受験生となると、毎年一回覚える作業を繰り返しているので、行政法は割といい感じに長期記憶になっている部分が多く、毎年、直前期に苦手な部分を中心に忘れている記憶を思い出す作業だけしているという方も多いのではないでしょうか。
民法もなんとか長期記憶化できたら、直前期で行政法と会社法にもっとフルコミできるので、合格がグッと近づくんですけどね…。
- 行政上の強制執行(※執行罰と秩序罰ガチわからんなる)
- 義務付け訴訟
- 執行停止(※行不と行訴でごっちゃになる)
- 仮の救済
- 教示(※行不と行訴でごっちゃになる)
- 住民訴訟(※外国人が請求できるかみたいなのいつも混同する)
民法
基本的には、リアリスティックを読み込むということをしていました。
8月頃まではずっとリアリスティックで勉強していたのですが、これは間に合わないと考え、途中でブレてしまい、合格革命に乗り換えた時期がありました。(基本テキストは絶対に途中でブレてはいけないとわかっていながらも焦りからブレてしまいました)
その後、9月15日にやっぱり、合格革命では頭に入ってこないということで、リアリスティックで最後までやり切ると覚悟を決め、再度読み込みました。
リアリスティックを理解すれば、確実に択一も記述も点が取れることは頭では理解しているのですが、物権総論や債権などは何度読んでも理解ができず、また、理解したつもりでも問題を解こうとすると全く解けなかったりで、勉強法が正直言って確立できていません。
民法は、条文を知っていても、結局、事例問題が多いので、事例に当てはめて考える応用力がないと点数につながらないので、事例をもとに解説しているリアリスティックは良本だと信じています。
会社法
リアリスティックは、商業登記法も含まれており、正直行政書士向けではないですが、合格革命だと逆に暗記中心の学習となり、長い目で見れば遠回りになると考え、リアリスティックを基本テキストに据えました。
とはいえ、会社法Ⅰに関して、「設立」「機関」はそれなりに周回していましたが、「株式」と会社法Ⅱについては、1周さえできていない状況でした。
また、アウトプットとしては、ウォーク問を解きましたが、正直、まだ過去問だけでは全範囲網羅できていないので、あくまでもテキスト優位の学習を心がけました。
結果として、1/5だったので、会社法に関してはもう少し早い段階から、しっかりと理解優位の学習で学習を進めていきたいです。
記述対策
記述に関しては、民法はリアリスティックを読み込んでおけば、部分点は取れるだろうということで、そこまで記述に特化した勉強はしていませんでした。
また、過去問よりは予想問題を中心に学習をしました。
行政法に関しては、行政事件訴訟法を中心に対策することとし、まずは被告適格を覚え、合格革命の基本テキストにある執行停止や義務付け訴訟、仮の救済、あたりの複雑な何度見ても覚えにくい部分を繰り返し条文と比較しながら、覚える努力をしました。
過去問もウォーク問で一通り解き、予想問題に関しても一通りは解きました。
【一般教養】政治・経済・社会
合格革命の基本テキスト+時事蔵(東京アカデミーの非売品をメルカリで購入)
ラムサール条約とか、ブレトンウッズとか、頻出部分は基本テキストで一読しておきました。
あとは、ギャンブル性の高い科目なので、あまり深追いせずです。
【一般教養】行政書士法・戸籍法・住民基本台帳法
合格革命の基本テキスト+肢別過去問
【一般教養】情報通信、個人情報保護法
合格革命基本テキストを読んだのみ
【一般教養】文章理解
特に対策はせず。
【2024年度】各科目の勉強時間
それぞれ、2023年11月14日(行政書士試験の次の日)〜2024年11月9日(行政書士試験の前日)で計算しています。
基礎法学
個人的にギャンブル性の高いコスパ最悪の科目だと思っているので、ノー勉です。
憲法
憲法の学習時間は、26.5hです。
公務員試験でも憲法はかなり勉強しており、割と定着しているので、10月後半からリアリスティックを一読&ウォーク問(統治)の部分を主に数字を覚え、あとはトリセツで頻出判例と最新判例を押さえた感じです。
リアリスティック憲法は、「めちゃくちゃおすすめ!」とまでは言えませんが、理由づけがしっかりしているので、私的には事実を淡々と記載しただけの合格革命テキストよりかは断然覚えやすくて好きです。
2024年度試験では、4/5だったので、まぁ悪くはないのかなと思います。
多肢選択も問41が1問間違い、問42が全問正解だったので、憲法は上記の使用教材をある程度理解しておけば、なんとかなるはずです。
行政法
行政法の勉強時間は、146hです。
昨年、10月から思い出す作業を開始して111hで14点取れたので、今年はもう少しゆとりを持って高得点を目指そうと考え、7月頃からスタートして合計146hでした。
結果としては、最低でも15点は取りたかったのですが、13点ということで、完全にプランミスでした。
民法
民法の勉強時間は、総則が50h、物権が58.5h、債権が116hでした。
ちなみに、R4年9月5日から集計していて、累計学習時間としては、総則が166h、物権が234.4h、債権が422.6hです。
それなりに、民法には時間を費やしてきているので、はっきり言って勉強法が間違っているとしか言いようがないです。
会社法
リアリスティック会社法Ⅰを46h、会社法Ⅱを8hです。
ぶっちゃけ、想像以上に民法が伸びず直前期かなり焦っていて、直前期に会社法に時間を費やすつもりが、思い通りにいきませんでした。
記述
行政法と民法合わせて、73hです。
択一の学習でも記述を意識していたので、厳密に分ける必要はありませんが、過去問や予想問題を解き、復讐をするなど、記述だけの対策として勉強時間を確保したのが上記の時間です。
一般教養
政治・経済・社会 | 6.5h(時事蔵の問題を1周+合格革命の重要部分のみ1周) |
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業務関連諸法令 | 7.5h(行政書士法を中心に、戸籍法も住基法も1周) |
情報通信・個人情報保護法 | 7h(用語は、総務省HPなどはみることなく、合格革命のみ) |
文章理解 | 勉強の合間にたまに自己啓発本を活字慣れに読んだ程度 |
政治経済社会は、しっかりと文章を読めば、明らかに言い回し的にバツと判断できる問題も毎年ありますが、やはり、ギャンブル感が強く、点数は安定させにくいですね。
業務関連諸法令に関しては、やれば点が取れるところなので、一般教養で足を切らないためにも、確実に点が取れるようにある程度学習をしておく必要があると再認識しました。
個人情報保護法は、正直、合格革命基本テキストと肢別過去問をやっていても、解けない問題がでるので、1番厄介だなと感じています。
あと、情報公開法は合格革命だと一般教養の扱いをしていますが、本試験だと行政法の問題として19問に含まれるという傾向があるので、ここは改めて押さえておきたいところです。
【2025年度】行政書士試験に向けての課題
2024年度の試験を終えて、見えた課題は以下の3つ。
- 民法択一が致命的
- 記述でせめて半分はとりたい
- 会社法が致命的
【1】民法択一をどのように克服するのか
2025年7月頃までは、基本テキストのリアリスティック民法Ⅰ〜Ⅲを記述を意識しながら、とにかく理解重視で読みすすめつつ、想起をして知識を定着させるつもりです。
と、口では簡単に言えますが、個人的に民法ってボリュームがとにかくすごいので、物権を学習していると債権を忘れて、債権を学習していると総則を忘れて、といった感じで、なかなか長期記憶として定着させるのが難しいです。
あとは、どんなにテキストを理解したつもりでも、いざ問題を解こうとすると、うまく事例に当てはめることができず、解けないというパターンも多いです。(算数が得意な人は民法も得意なイメージ)
民法択一は判例問題が多く、条文そのものや数字の記憶で解ける部分は割と少ない認識なので、肢別ではなくウォーク問などの5肢択一形式の問題集で事例問題を解けるように練習する。
その際に、ウォーク問だと過去10年分のみで全範囲が網羅できていないので、加えて司法書士のパーフェクト過去問を解く。
【2】記述で20〜30点どのように安定させるのか
まずは行政法で行政事件訴訟法における取消訴訟の原告適格、被告適格、抗告訴訟の訴訟要件などを確実に表にして覚えることで部分点をもぎ取る。
次に、最近の行政法は非常に思考が求められる問題が多いので、択一の問題を記述で問われた場合を想定するなど、ベタですが、択一学習時にも記述を意識する。
民法は、リアリスティックで事例を一個一個理解しつつ、重要判例に関しては、トリセツなども用いて、頻出である債権中心に判例の重要ポイントを吐き出せる状態にする。
【3】会社法択一で確実に3問正解するためにどうするか
リアリスティック会社法Ⅰ〜Ⅱを読み込み、ウォーク問+パーフェクト過去問をアウトプットすることで、3/5は取れると思うので、何がなんでもやり切る。
商業登記法の部分は、基本的に読み飛ばす予定です。
終わりに
はっきり言って行政書士試験に6回も不合格だなんて、恥ずかしくて誰にも言えません。
仮に合格しても、絶対誰にも言わないです。
どんだけ自分はアホなんだと、自分が嫌になることも多々あります。
でも、士業として開業するのが夢で絶対に諦めたくないので、受かるまで受験し続けます。
努力をしっかりと続けていれば、受かるべき年に受かるのだと信じています。
来年こそ絶対に合格してみせます。